BeScan Lab

BeScan Labは、静的多重光散乱(SMLS)技術に基づいた、多用途、高感度、高信頼性の安定性評価装置で、製剤開発や製品の品質管理に広く使用されています。高濃度サンプル（～95% v/v)の分析が可能でエマルション、サスペンション、ポリマー溶液など幅広いサンプルタイプに対応し、80℃までの加熱温調機能が搭載されて加速試験まで対応可能です。BeScan Labは不安定状態の定性分析と定量分析の両方を提供し、製品の経時的変化をモニターし、製品の貯蔵方法や有効期間を決めるのにお手伝いをします。

 

BeScan Labで入手できる情報

• 不安定性指数（L_US）
• 平均粒子径
• 流体力学的分析
• レーダー図による局部的な安定性評価
• 温度トレンド試験
• 粒子移動率

 

なぜ分散安定性評価が必要ですか？
 

原材料から最終製品まで

製品は、製造されてからユーザーが使用するまでの過程、倉庫内での保管、配送などの過程において、その品質が保たれることが重要な条件となります。有効性や安定性の高い製品であっても、実際に流通した際にその途中で変質したり、分解するようになって、利用価値がなくなる可能性があります。従って、製造した製品の品質の安定性を評価し、温度などの影響下で、どのように経時的変化するのかを明らかにし、製品の貯蔵方法や有効期間を決めるために安定性評価を行う必要があります。分散性安定性評価装置BeScan Lab（ビースキャンラボ）分散安定性評価・平均粒子径測定を一台で行うことができます。

 

1. 製品の研究開発

調製の階段で、原材料の採用から、優れた分散性と均一性を確保するためお役に立ちます。

 

2. 製品の製造工程

製造方法、時間、温度など製造工程を最適化し、効率を高めます。

 

3. 保管・配送

様々な環境条件下における製剤の安定性を評価し、不安定な状態を観察し、保存期間を予測できます。

 

4. 前処理

不安定化の可逆性と規格への準拠状況の検討に参考になります。

 

BeScan Labのメリット

 

完全非破壊測定

• 接触無し、希釈無し、剪断無し
• 最大95%v/vの高濃度分散体の評価が可能
• 粒子径測定範囲：0.01～1,000 μm

 

迅速かつ直感的な安定性評価

• 高性能LEDと高感度検出器により、目視より200倍速くなるスピードで、微妙な変化をリアルタイムでモニタリングします。
• 80℃までの加熱温調機能により加速試験を対応可能

 

定性・定量的な安定性評価

• データ解析から浮遊・沈降・凝集・分離特性を評価可能
• 不安定性の定量化と再分散性の研究

 

測定原理

 

静的多重光散乱 (SMLS) は、分散液の安定性を評価するために用いられます。BeScan Labでは、2つの検出器とLED光源からなるセットアップがセルの垂直方向に沿って上昇し、サンプルのスキャンニングを行います。高濃度サンプルの場合、後方検出器を使用して後方散乱光を検出し、低濃度サンプルの場合、前方検出器を使用して透過光を検出します。

 

 

BeScan Labは、20μmごとに垂直方向にスキャンし、不安定化を示す透過光と後方散乱光の変化を捉えます。各スキャン後、不安定指数（I_US）を計算されます。その後、I_USの傾向に基づいて短期または長期の安定性を評価することができます。

 

 

応用例

農薬

農薬処方の安定性を評価して保存期間を予測し、懸濁液システムの安定した性能を保証します。

 

電池とエネルギー

電池の性能と寿命を向上させるために重要な電極材料と電解質の安定性を評価します。

 

セラミック

セラミックスラリーの安定性を分析し、釉薬や顔料の安定性をモニターすることで、信頼性の高い製造工程を確保します。

 

ホームケア・化粧品

化粧品、ローション、クリーム、その他の処方における製品の安定性を確保し、信頼性の高い性能を実現します。

 

食品・飲料

牛乳からソースまで、食品の安定性を試験し、製品の品質を維持するために食品粉末の分散性を評価します。

石油

石油製品の安定性を監視・確認し、潤滑油の長期性能や油中ポリマーの挙動に関する重要な知見を提供します。

 

医薬品

医薬製剤の安定性試験を実施し、長期的な薬物安定性を評価し、生体高分子の凝集を解析して製品の有効性を確保します。

 

 

シンプルで直感的なソフトウェア

 

BeScan Lab Stability Analyzerは、強力なソフトウェアにより、迅速かつ高感度な試験を可能にし、不安定現象の特性解析を容易にします。

 

 

定性分析

 

 

 

定量分析

 

 

不安定性指数（_IUS）

 

試料のばらつきを積分して求められる_IUSにより、安定性を定量的に分析することができます。

 

 

レーダーチャート

 

各走査の全体的・局所的な不安定指数をレーダーチャートで表示し、局所的な安定性（上・中・下）を直感的に調べることができます。

 

 

温度トレンド試験

 

温度トレンドテストは、異なる温度における安定性分析を可能にします。温度はシステムの安定性に影響を与える重要な要素です。変化点を見つけることは極めて重要です。

 

 

ピーク厚み分析

 

ピーク厚さの散布図は、粒子の沈降または浮遊の速さを示します。また、重力液体沈降に基づく平均粒子径を得ることができます。

 

 

 

                                                           

パラメータ
測定原理	SMLS (静的多重光散乱)
検出角度	透過光0°、後方散乱光135°
光源	850 nm LED
スキャンステップ	20 μm
最大体積率	95%
粒子径測定範囲	0.01～1000 μm
温度範囲	室温+5 ℃ - 80 ℃ (±0.5 ℃)
必要なサンプル量	4 - 25 mL
測定モード	レギュラー/定点/温度トレンド
外形寸法	460(L) x 260(W) x 280(H) mm
重量	13.5 kg
電源	AC100 - 240 V、50 - 60 Hz、3.8 A
ISO準拠	ISO/TR 18811:2018, ISO/TR 13097:2013 ISO/TR 21357:2022、ISO/TS 22107:2021

 * 試料種類や試料前処理によって異なります。