流動性とは?
2023-02-22WIKI
流動性(Flowability)は、粉体が重力によって流れる特性を定義し、粉体の取り扱いや処理において重要な役割を果たします。流動性は、単一のパラメータ(安息角、圧縮性、またはスパチュラ角度など)を用いて簡易的に評価することも可能ですが、実際には多様な物理的特性や相互作用に依存するため、より包括的な評価が求められます。
カーの流動性指数(Carr indices)法は、粉体の流動性を包括的に評価するために、以下の複数のパラメータを組み合わせて用います:
- 安息角(Angle of Repose):粉体が自然に積もったときの最大角度を測定し、流動性の指標とします。
- 圧縮度(Compressibility):粉体がどれだけ圧縮されるかを評価し、流動性に対する影響を考慮します。
- スパチュラ角(Angle of Spatula):スパチュラで粉体を押し上げた際の角度を測定し、流動特性を把握します。
- 均一性(Uniformity):D60(粒度分布の60パーセンタイル)をD10(粒度分布の10パーセンタイル)で割ることにより、粉体のサイズ分布の広がりを評価します。これにより、流動性の均一性が測定されます。
- 凝集度(Cohesion):粉体の凝集の強さを測定し、粉体がどれほど容易に流れるかを評価します。これは、サンプルを特定の期間振動させた後、各ふるいに残った粉の質量を測定することで算出されます。
これらの指標を総合的に考慮することで、粉体の流動性に関する包括的な理解が得られ、製造プロセスや製品特性の最適化に役立ちます。
カーの流動性指数表
Angle of Repose 安息角 |
Compressibility 圧縮度 |
Angle of Spatula スパチュラ角 |
Uniformity* 均一性 |
Cohesion* 凝集度 |
|||||||||||
測定値 |
指数 |
計算値 |
指数 |
測定値 |
指数 |
No. |
指数 |
% |
指数 |
||||||
≤25 26-29 30 31 32-34 35 36 37-39 40 41 42-44 45 46 47-54 55 56 57-64 65 66 67-89 90 |
25 24 22.5 22 21 20 19.5 18 17.5 17 16 15 14.5 12 10 9.5 7 5 4.5 2 0 |
≤5 6-9 10 11 12-14 15 16 17-19 20 21 22-24 25 26 27-30 31 32 33-36 37 38 39-45 ≥45 |
25 24 22.5 22 21 20 19.5 18 17.5 17 16 15 14.5 12 10 9.5 7 5 4.5 2 0 |
≤25 26-30 31 32 33-37 38 39 40-44 45 46 47-59 60 61 62-74 75 76 77-89 90 91 92-99 ≥99 |
25 24 22.5 22 21 20 19.5 18 17.5 17 16 15 14.5 12 10 9.5 7 5 4.5 2 0 |
1 2-4 5 6 7 8 9 10-11 12 13 14-16 17 18 19-21 22 23 24-26 27 28 29-35 ≥35 |
25 24 22.5 22 21 20 19.5 18 17.5 17 16 15 14.5 12 10 9.5 7 5 4.5 2 0 |
- - - - - - - - - - - ≤6 6-9 10-29 30 31 32-54 55 56 57-79 ≥79 |
- - - - - - - - - - - 15 14.5 12 10 9.5 7 5 4.5 2 0 |
||||||
流動性評価 |
|||||||||||||||
程度 |
非常に良好 |
良好 |
まあ良好 |
普通 |
あまりよくない |
不良 |
非常に悪い |
||||||||
指数合計 |
90-100 |
80-89 |
70-79 |
60-69 |
40-59 |
20-39 |
0-19 |
* 均一性と凝集度は、粉体サンプルの密度測定およびふるい分け試験を行うことで得ます。
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