光学式粒子計数・粒子径測定装置にレーザービーム整形は必要か?
2023-05-06WIKI
ビーム断面の形状は、粒子計数や粒子径測定において非常に重要な役割を果たします。以下に、その影響を詳しく説明します。
1. ビーム断面の理想的な形状
- 矩形状断面: 高さが幅よりはるかに小さい矩形状の断面が理想的です。この形状により、粒子がレーザーに照射される際、正確な計測が可能になります。
2. 粒子間の間隔
- 低濃度の場合: 粒子が測定ゾーンを通過する際、流れに沿った粒子間の間隔が比較的大きく、異なる断面形状が計数精度に与える影響は小さいです。このため、計測精度に大きな差は生じません。
- 高濃度の場合: 試料濃度が高くなると、粒子はより密に配置されます。この場合、ビーム断面の形状が計数精度に与える影響が顕著になります。
3. パルス信号の発生
- 適切な高さの断面: 長方形状の断面の高さが粒子径と等しいか、わずかに小さい場合、粒子がレーザーに照射されると、1つのパルス信号が発生します。これにより、粒子の計数と粒子径測定が正確に行われます。
- 過剰な高さの断面: 逆に、矩形状断面の高さが粒子サイズの2倍である場合、密接に配置された2つの粒子が同時に照射されることがあります。この場合、計数誤差が発生し、強度の高い1つのパルス信号が生成されます。これは、本来発生すべき2つのパルス信号が重なり合うことに起因します。その結果、粒子数は「1」と認識され、粒子径も誤って算出されることになります。
4. 幅の重要性
- 幅が測定上限値以上: 特に重要なのは、長方形状の断面の幅が粒子径の測定上限値を超えることで、これにより計測精度がさらに向上します。このため、ビーム断面の設計は、粒子計数や粒子径測定の正確性において非常に重要な要素となります。
結論
ビーム断面の形状は、粒子計数や粒子径測定における精度に大きな影響を与えるため、適切な設計と選択が必要です。特に高濃度の試料においては、粒子間の相互作用を考慮し、最適なビーム断面を選ぶことで、より正確な計測が可能になります。
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