安息角の測定方法
2023-02-20WIKI
安息角(Angle of Repose)は、粉体が自然に堆積した際に形成される傾斜面と水平面との間の角度を指し、粉体の流動性や搬送適性の評価において基本的かつ重要な物性値の一つです。本値は、粒度分布、粒子形状、表面粗さおよび摩擦係数など、粉体の特性に大きく影響を受けます。
用途に応じた適切な測定法を選定することが、信頼性の高い評価結果を得るための鍵となります。以下に代表的な測定手法を概説します。
代表的な測定手法
◆ 固定漏斗法(Fixed Funnel Method)
漏斗を通して粉体を下方の測定台上に供給し、自然に形成される円錐状堆積体の傾斜角を測定します。所定の堆積高さまたは底面直径に達した時点で粉体の供給を停止し、その際の堆積傾斜面と水平面との角度を安息角とします。測定精度を高めるためには、漏斗の高さを一定速度で安定的に上昇させることが推奨されます。
◆ 円形プラットフォーム法(Circular Platform Method)
一定直径の円形プラットフォーム上に粉体を供給し、堆積過程において自然に形成される円錐の傾斜角を測定します。粉体がプラットフォーム端部に到達し、外周に向かって崩れ始める瞬間の傾斜角を安息角として採用します。視認性が高く、操作手順が比較的容易であるため、実験室で広く活用されています。
◆ 傾斜板法(Tilting Plate Method)
粉体を平板上に均一に展開し、その片側を徐々に持ち上げて傾斜させます。粉体が傾斜面に沿って滑落を開始する角度を測定値とし、これを安息角とします。本法は装置構成が簡便であり、迅速な測定が可能なため、現場での簡易評価にも適しています。
◆ 回転円筒法(Revolving Cylinder Method)
透明な円筒内に粉体を封入し、一定回転速度で円筒を回転させます。回転により筒内壁面に沿って形成される傾斜面の角度を測定し、これを安息角とします。本法は、動的条件下における粉体挙動を評価するための手法として有効です。
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