繰り返し精度の計算方法
2023-07-13WIKI
レーザー回折・散乱法による粒子径分布測定における繰り返し精度(repeatability)とは、同一サンプルを短期間にわたって、同一の測定条件下で複数回測定した際の各測定結果の差異の程度を指します。高い精度を実現するためには、以下の条件が厳密に守られる必要があります。
● 測定手順および条件の一貫性:すべての測定は、同一の測定プロトコルに基づき、同一の環境・条件で実施される必要があります。これには、光学系、分散手法、流速、超音波処理などが含まれます。
● オペレーターの統一:測定を実施する技術者は同一であり、操作におけるばらつきを排除するため、測定手順に精通していることが前提です。
● サンプルの同一性:測定対象とするサンプルは、完全に均質化されており、測定のたびに同一のサンプルが使用される必要があります。サンプル間の物理的変化や劣化が結果に影響しないように管理されるべきです。
● 粒子径測定器の統一:すべての測定は、同一の機器で行われる必要があります。光路やセンサーの状態が異なる複数の機器で測定した場合、結果に差が生じる可能性があるためです。
● 短期間内の測定:測定は短時間内に繰り返し行われ、長期間にわたる外部要因(温度変動、サンプルの化学的変質など)の影響を最小限に抑える必要があります。
繰り返し精度は、代表的な粒子径パラメータ(例:D50、D90など)について計算され、各サイズチャンネルにおける測定値の変動幅を統計的に評価します。このような繰り返し精度の指標は、測定技術の信頼性を評価する重要な要素となります。繰り返し精度の計算方法は、以下に示します:
ここで、n は測定回数(通常 n ≥ 10)、xiは各個々の測定結果、xi は測定結果の平均値、δ は標準偏差を表します。
粒子解析の概念を理解するのにお困りですか? 私たちの新しい『粒子解析入門ガイド』では、これらの概念をできるだけわかりやすく解説しています。PDFをダウンロードすれば、電車や飛行機の中など、インターネットがない場所でもお読みいただけます。 |